（同義語）根分割、分離

外科的歯内療法や歯周治療の一法で、複根歯で行われる歯根分離法をいう。髄床底部で歯根を分割し、歯根を独立させた状態で保存する。閉鎖不可能な髄床底穿孔歯などの根分岐部病変が限局する場合や、髄床底のう蝕が高度に進行した場合、また誤って髄床底を著しく切削した場合、根分岐部で頬舌的に破折を起こした歯において、歯根の太さや長さ、支持歯槽骨の状態から十分に咬合機能に耐えられる場合に行われる。術式としては、各歯根に根管充填を行なった後、バーにて根管中隔部を頬舌的に切断し、それぞれの歯根を小臼歯化し補綴処置を行う。歯周治療においては、プラークコントロールが容易となり、また分割によって露出した象牙質部、セメント質部には宗修復処置が施され、う蝕罹患の危険性も低下する。必要に応じて挺出や歯根軸に対する小矯正が併用され、歯根を連結した補綴装置が装着される。

＝常用歯科辞典　第4版＝

外科領域